食品のことだけとっても、香りというのは美味しく食べる上で非常に重要な要素です。
人間を含め大体の動物は口の上に花があり、味と同時に香りを感知します。
花を摘んで食べると美味しいものでも、普通に食べてどぶの臭いがしたのでは美味しくないと感じるはずです。
味や色には基本があり、それを組み合わせて様々な味や色へと変化するのですが、臭いに関しては基本臭はないそうです。現在388種の臭い成分が発見されています。
臭いというのは、それを感知する受容体の疲労が早く、すぐに慣れるそうです。
ですので、自分の臭いというのは慣れてあまり臭わなくなるのです。
その、慣れを引き起こすことで、他の臭いを鋭敏に察知し、危険にも対処できるようになっているのです。
ガスの臭いをすぐに分ける、なんてその一つですよね。
ご存知の方も多いと思いますが、家庭で使うプロパンガスや都市ガスには、もともと臭いはありません。ただこのままにしておくとガス漏れに気づかないので危険です。
だから、あの「ガス臭」をわざとつけているのです。
しかもそのガス臭が「フローヤルの香り」だとか「シトラスの香り」なんて、芳香剤のような人に好まれる臭いだと、ガス漏れしても人がいい気分になるので、漏れた時不快な臭いと感じるような臭いをつけています。
メチルメルカブタンという臭い物質はガスの臭いの一部です。
フェロモンなんてのも臭いです。
それを嗅ぎ分けることができるかどうかでしょけど。
臭いも「閾値」を使います。
先ほどの「マチルメルカブタン」は閾値が0.1です。
柑橘の香り成分「ミルセン」は閾値15
グレープフルーツの香り成分「ヌートカトン」は閾値170
嫌な臭いとしては、1日履いた靴下の臭い「酪酸」の閾値は240。
ということは、結構臭う靴下は酪酸だらけということなんですね!
アルコールの主成分「エタノール」は閾値100,000ということで、ほとんど臭いがしません。
だから様々なお酒の成分の臭いを引き立たせることができるんですね。
「エタノール」の閾値が1くらいだったら、飲む時に鼻をつまんで飲まないといけなかったところです。
良い香りとされる臭いに「果物」の臭いがあります。
これには大きく「エステル」と「ラクトン」の2種類に分けられます。
これは構造式の違いで、「エステル」とは構造式の中にエステル構造という化学式が入っています。
「ラクトン」にはラクトン構造が入っています。
どんな構造かはこちらを参考に
「エステル」
「ラクトン」
で、エステル構造を持つ香気成分の主な果物は
バナナ、なし、ぶどう、オレンジ、ビルベリー、クランベリー、パイナップルなどです。
ラクトン構造を持つ香気成分の主な果物は
もも、ココナッツなどです。
エステルが圧倒的に多いですね。
爽やかな香りでしょうか。
ラクトンは甘い香りですね。
このように様々な香気成分を嗅ぎ分けながら、人は生活しています。
アロマテラピーなんてのもありますね。
臭いはリラックスをしたり、気分転換をしたりといったいい気分になる要素の一つです。
見えないものですが、生活において重要な「アイテム」ですし、食事を美味しく取るためにも重要な要素ですね!