7月25日、26日と食品製造者としてはこれから必須となる
「HACCP(ハサップ、ハセップ)」の講習会にどっぷり浸かってきました。
座学が丸2日も続くと、慣れていないものとしてはなかなかこたえます。。。
この勉強は食品製造業者向けですので、私ども食品メーカーが消費者の方に安全、安心な食品を提供するためにするべき内容がほとんどで、一般の方には直接は関係の無い事柄ばかりでした。(そりゃそうですよね)
でもその中でこれは食品業者だけでなく一般消費者の方も知っておいたらいいかな、という事を習いましたので、紹介したいと思います。
よくCMで「抗菌コート」とか「殺菌成分」とか「除菌スプレー」とか聞きますよね。
この「抗菌」「殺菌」「除菌」てどう違うのか知っている方って少ないのでは無いでしょうか?
こういった商品を作っているメーカーは嘘は言っていません。しかしこの用語がどのような意味かを知らないと「イメージ」だけでよさそうに思ってしまうのです。
では、世界基準のHACCP講習会で習った用語説明です。
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1、滅菌・・・全ての菌を死滅させること。主に器具を対象とした用語。
2、殺菌・・・「菌を殺す」という意味。どの程度殺したかは問わない。その為「99%殺菌」などと表現される。
3、消毒・・・付着、又は含まれている病原性微生物を殺し、数を減らすなどして毒性を無力化させること。
4、除菌・・・物体や空間に含まれる微生物の数を減らし、清浄度を高めること。
5、静菌・・・微生物の活動を停止又は低下させ、増殖を抑制すること。
6、抗菌・・・主に物の表面についた菌の増殖を長時間防止すること。
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以上です。
上記の中では「滅菌」と「消毒」には基準があります。
「殺菌」「除菌」「静菌」「抗菌」には基準がありません。
お近くにある、こう言った用語を使った製品を見てみてください。
ほとんどが「殺菌」「除菌」「抗菌」では無いかと思います。
講義いただいた先生によると、「99%除菌」と書いているスプレーを吹きかけても、菌というのは100万単位で存在しますので、仮に100万の菌のうち99万減らしたとしても、大腸菌であれば条件の良い環境では2時間程度で100万を超えてしまいます。
この理論からいくと除菌スプレーは2時間以内にかけ続けないといけないということになります。
が、口に入れるものならいざしらず、通常わたしたちが体で触れるものには様々な雑菌がいるので、そこまで神経質にしているときりが無いですし、健康体の大人であればその雑菌にも耐えうる抵抗力を持ち合わせています。
そう思うと、いつもいつも除菌されている便座のほうが、電車のつり革や不特定多数の方が使うドアノブより綺麗だということですね。
食品でも、思いっきり殺菌された食品もありますが、これは「保存料」とか「防腐剤」と言った類のもので殺菌されているのであって、その食品を作る光景は見たく無いと思います。
幸い麦屋のうどんは保存料、防腐剤は一切使っておりませんし、急速冷凍する前に湯がき工程があり加熱殺菌をしています。そして一気に−48度まで冷やし凍結します。
菌の繁殖が盛んになると言われるプラス47度〜25度を一気に駆け抜けますので、菌の増殖はほとんど無い状態でお客様にお届け出来るのです。
こう言った勉強をすると、流通商品が冷凍うどんでよかったな〜と思います。
今食品製造業界は(ある一部の間違った会社を除き)、消費者の方にいかに安全、安心で美味しいものを提供するかでものすごく努力をしています。しかしそれを価格に転嫁することなく、多くは自助努力で行っているのです。
消費者の皆さまもそうした食品製造者の思いを少しでも気にしていただければ幸いです。
そして、指定された保存方法や調理方法で召し上がってください。
間違った保存や調理で食べられますと、せっかく美味しくいただけるはず、安全にいただけるはずのものが、「美味しくない」や「食あたり」と言った悲しい結果につながるかもしれないのです。