カツオ出汁の効いたうどんはアスリートにとって最高です!

高知大学で受講していると、カツオの話がよく出てきます。やっぱカツオを良く食べる文化の土地ですからね。

僕が最初に受けた授業で、「食品とは?」と質問されました。

それはほとんどが「生物、もしくは生物生産物」なのだそうです。

生物生産物とは、例えば牛乳とかです。

で、食品となったときにその生物は生きているか死んでいるかと、

だいたいが死んでいるのです。

でも、「鮮度がいい」とか「新鮮だ」とかいいますよね。

言い方が悪いですが、食品となるものが死んで間もないことを「鮮度がいい」と言います。

野菜は若干違う時もあります。生のニンジンなんかは、土から抜いただけでは死んでないですもんね。生きたまま食べられます。生きているとはATP(アデノシン三リン酸)を出している状態のことです。

カツオを例にしてその流れを教えていただきました。

魚が生きている時ではATPを出し、

ADP

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AMP

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IMP(イノシン酸)

⬇︎

ヒポキサンチン

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キサンチン

尿酸

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アンモニア

というふうに、出しているものが変わっていくのだそうです。

最後のアンモニアなんて、ほぼ腐っている感じですね。

よくカツオには旨み成分の一つである「イノシン酸」が多くあるといいますが、このIMPが多く出ている段階で食べると、すごく美味しいということになります。だからものすごく新鮮なカツオより、少したった方が美味しいのです。他の魚や肉でもそういうこと多いですよね。

又鰹節には良質な栄養素が多く含まれています。

詳しくはこちらのサイトに記載されています。

https://welq.jp/1851

私も以前鰹節についていろいろ調べていました。

イノシン酸・・・ATPが酵素によって分解されたもの。

細胞の活性化。イノシン酸は20歳を境に体内(肝臓)で

作られにくくなる=老化が進む。イノシン酸をとると老化防止。

ATP・・・細胞内でエネルギーを貯蔵する物質(カツオが高速で泳ぎ続ける源となる)

ペプチド・・・カツオに含まれるペプチドには「疲労回復」「集中直を高める」効果が

あると言われ、スポーツ選手も使用している。

たんぱく質・・・鰹節には77%のたんぱく質。カツオのたんぱく質は人体で作ることの

出来ない8種がある。鰹節は脂肪分3%。

カツオのたんぱく質はヒスチジンとアラニンがくっついたもの。

ヒスチジンを多くとると脂肪の消費量が多くなる。

その鰹節をふんだんに使ったうどんはアスリートにとって最適な食事なのです!

(写真は鰹節の出汁と鰹節をたっぷりのせたサラダうどんです)

鰹節の成分で疲労回復や老化防止。そしてうどんの炭水化物でエネルギー補給。

又出汁は醤油を使うので塩分補給もでき、これから暑い時期に失われていくナトリウムの補給にもなります。

よく「減塩」「無塩」が良いとされる風潮がありますが、実は全ての方が当てはまるわけではないのです。ナトリウムが不足すると熱中症になりやすくなります。減塩ばかりしていると夏は危ないですよ!

特にアスリートは普段のトレーニングでも大量の汗をかきますので、適度にナトリウムを補給していくことをお勧めします。

ただ、塩ばかり舐めてるわけにもいかないでしょうから、それを美味しく体内に入れる方法として、うどん出汁は最高なのです。

ラーメンスープでもいいようなもんですが、ラーメンスープには動物性脂が入っていることが多いですね。まったくとってはダメなことはないですが、摂りすぎると「悪玉コレステロール」が多くなり血液の流れを悪くします。

何事にも適度にが一番です。

又、脂(油)のことは勉強してまいりましたので、後日書かせていただきます。

炭水化物って??

おおざっぱに言うと

「糖と食物繊維が合わさったもの」

です。

ま、高知大学の受田先生曰く

炭水化物=糖(グルコース)でOKとのことです。うどんは炭水化物の塊といっていい食品ですね。

炭水化物は人間が活動する上で、非常に重要な栄養素です。エネルギーですからね。炭水化物1gには4Kcalのエネルギーがあるとされているので、カロリー計算は簡単です。

で、ここ数年「糖質カット」や「糖質制限」なるダイエットや食事療法をよく耳にします。実は麦屋でも糖質カットされた麺の開発を行っているのです。

しかし、私どもの狙いは「糖質は悪いですよ」とか「糖質を摂らないようにしましょう」といったスタンスではありません。

100%糖質をカットした麺を作ることは、今の麦屋ではできませんし、そこまでしようとも思っていませんが、少し気にされている方に向けての選択肢を広げるといった意味合いで、開発を行っております。

それは麺だけでなく、スープやソースといったものまで含めて、トータルで提供できるようにと考えています。

極力(というか全く)薬品系は使わずに、天然の素材だけで通常のものより数10パーセント糖質をカットできて、それでいて通常の麺と遜色がない美味しさで食べられるのなら、糖質を少し気にしている方にとって喜んでいただけるのではないかと思っています。

さて、少し授業で学んだことを書きますが、炭水化物は字のごとく炭素(C)を多く持った栄養素です。この辺りの説明をしている時の教授の生き生きした表情と、学生である大人たち(僕もその一人です)の、なんだこりゃという表情の対比が実に面白かったですね。

こんな、元素記号だらけの教科書ですからね.

しかし、この呪文のような記号や名前も、ある法則を覚えれば

「あー、やからそういう名前なんや」と納得することになるのです。一部ですが。。。

そして、食品が黒く着色していく現象もこの元素記号で説明していただきました。

名前としては「メイラード反応」と言います。

いわゆる「酸化」なのですが、これは糖がある条件のもとに起こす反応で、リンゴやバナナが黒くなっていく現象もポリフェノールが関係したメイラード反応です。

醤油や味噌が茶色や黒くなっていくのもメイラード反応です。

これは、食品内だけでなく体内でも起こり、糖尿病が進行すると末端が黒くなっていく現象もこれと同じだそうです。

実は、授業時間の関係でこの炭水化物のセクションはかなり駆け足で進んだので、時間のあるときにもっと詳しく聞いてみたいと思います。

なんせ「炭水化物の塊」を製造販売しているんですからね!

そして、次回のBlogではその「炭水化物の塊」だからこそなし得る持久系アスリートへお勧めのうどんの食べ方をご紹介いたします!

食品がカビたり発酵したりするのはなぜ?

それは、水分子全体のうち自由水の割合で決まるのです。

水分活性(Aw ウォーターアクティビティ)が高いとか低いとか言います。

ってわかりづらい表現ですね。

大雑把に言うと、水分全体のうち塩や砂糖がどれだけ入っているかによってカビたり細菌が繁殖したり酵母が増殖したりするのです。

身近では梅干しとか腐らないですよね。これは水分に対して塩分が多いからです。

なぜ塩分が多いといいのかと申しますと、通常のH2Oは自由水なのですが、そこにNaClが入ることで、H2O分子をホールドし結合水が出来ます。

で、このホールドされた水が多いと自由水が少なくなってカビにくいということになります。

塩分や糖分、タンパク質が多くてもそうですし、水分が少なくても相対的に自由水の割合が減るので腐りにくくなります。

詳しくはhttp://homepage3.nifty.com/hinshitukanri/siryou/suibunkassei.htmに書かれています。

うどんの場合は、よく「常温で保存できる商品を作って欲しい」と言われますが、この場合には

1、乾燥して水分を抜き、水分活性をの値を下げる

2、塩分を多くして、水分活性の値を下げる

3、真空パックにして長持ちさせる。

という方法があります。

3は、茹でうどんを真空パックにするのですが、これは日本ではもう受け入れられないですね。食感が他のうどんとまるで違い、僕から言わせればうどんではなく、「長い状態の小麦粉食品」になります。

そこで、1か2なのですが、1の場合多くは麺が細くなりがちです。それはゆがく時間が相当長くなるからです。パスタで経験がある方が多いと思いますが、1.4mmの太さと1.7mmの太さの乾燥パスタで長いと5分くらい茹で時間の差があると思います。

うどんだとそんなものではないのです。

通常四国のうどん屋さんに入って食べるうどんの太さを乾麺にすると20分はゆがかないといけないでしょう。

だからなのでしょうか?乾麺ではないですがここ最近香川に行って入ったうどん屋さんの麺が細くなっていたような、、、

茹で時間が短いということは回転率にも影響しますからね。

話は逸れました。

2の場合はと言いますと水分活性を抑えるにも限界があります。塩分を多くしすぎると辛くなるからです。

この手のうどんはよくお土産物屋さんで販売されているうどんがこれですね。

「半生麺」という類です。

これは、適度に塩分をあげて(あと多少の添加物)適度に水分を抜くという方法です。

茹で時間も10分〜15分程度で、賞味期限は一カ月から3カ月といったところでしょうか。

この水分活性の考え方は、うどんを練る時にも用いられます。

温度や湿度の具合を見ながら製造時間から逆算をし、麺生地の中の水分活性値を塩分と水分でコントロールしています。

私たちは普段何気なくやっている作業もこうして食品科学的見地から見ると、なかなかな事をやってるなと、我ながら思うのでした。

これも、日々美味しいうどんをお客様に提供するための、先人からの知恵ですね。

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食べる意味はなんですか?

みなさん、食べる意味を考えたことはありますか?

先日授業で教授にそう質問されて、改めて考えてみるとなかなか深いものでした。

1、栄養機能

2、感覚機能

3、生体調節機能

ということです。

で、1の栄養機能とはなんぞや!と申しますと、

この栄養がないと欠乏症になり、生きていけない栄養のことです。

例えば、カルシウムやマグネシウムやビタミンCのようなものです。

3の生体調節機能も似たような成分ですが、この分野はあるといいけど欠乏症にはならない成分のことです。

例えばビフィズス菌とかポリフェノールとかです。

2の感覚機能とは、よく言う「味覚」のことで、

味や匂い、食感といった類のものです。

食品を摂る。ということは栄養の側面だけを見れば、別に食べなくても点滴でいいじゃないか!ということにもなりますが、人間が生きていく上では「食べる喜び」も必要なのです。

なので、人は塩だけ食べたり砂糖だけ食べたり、小麦粉だけ食べたりせず、ちゃんと調理して、美味しく食べられるようにしているのです。

トライアスリートをはじめ、持久系スポーツをされている中で「補給」というのは大事なことの一つです。レースの最中の補給は「点滴」に近い形で短時間で高栄養素、高カロリーを摂取したがるののですが、その中でもやはり美味しさや食べやすさ、飲みやすさは大事なんですよね。コーラが無性に飲みたくなる感覚ですね。

そして、日頃の体づくりでは、栄養素もさることながら「食べる喜び」も味わって、人生を豊かに過ごしていきたいものです。

水を制するものは食品を制する

この言葉は現在私が受講している、高知大学土佐FBCの受田教授の言葉です。

ほとんどの食品は、その構成される成分で一番多いのは「水」なのです。

コンクリートと同じくらい硬いと言われる「本枯節(鰹節をもっともっと硬くしたもの)」の中にも、15%程度の水分が含まれています。ちなみに鰹の刺身の中には75%ほどの水分があるそうです。

スイカは90%が水分です。

そして私の本業であるうどんは、茹でた状態で(その茹で方、太さにもよりますが)70%程度は水分です。

そう、やはり「水を制するものは食品を制する」のです。

水というのはご存知の通り「H2O」と表記されます。

水に近い元素でできている物質の中でも「H2O」は本当に特殊な存在のようです。

沸点と融点を見てみると、その多くは摂氏マイナスで融点を迎え、沸点は高くても摂氏プラス20度程度。

しかしみH2Oは摂氏0度で液体になり、摂氏100度で気体になります。

それだけ他の物質と比べて特殊であり、特殊がゆえに唯一無二の存在として、我々生命体になくてはならないものだということです。

麦屋は創業以来、水に異常なまでの執着を持って経営をしてまいりました。

これからもその創業の思いである「水」に対して真摯に向き合っていきたいと思います。

みなさん、これからは気にして良い「水」を摂取してくださいね。