目で見て楽しむ食品達

食品には栄養補給という目的のほかに、感覚機能としての側面もあります。

感覚機能とは色、味、香り、テクスチャ(歯ざわり、舌触り)を楽しむということです。

それを楽しむことで社交やコミュニケーションツールとしての意味合いもあります。

まずは色です。

ビタミンの項目で炭素の二重結合が規則的にある状態が多くなると色がつくと教えていただきました。(共役二重結合)

食品の色に関してはその構造がけっこう働くようです。

自然界では植物系が色を持っていて、動物系の色というとヘモグロビンとミオグロビンくらいだそうです。動物に色がつくのは植物の色素を取り入れてつくのだそうです。

皆さん、ポリフェノールをご存知ですか?大体の方は聞いたことがあって、体に良いと認識されていると思います。

このポリフェノールは

「分子内にフェノール性OHがたくさんある群」ということでたくさんの意味の「ポリ」を使ってポリフェノールといわれます。では「フェノール製OHって??」となると構造式を書かなくてはいけなくなるので、割愛します。

まー数分聞いただけではわからないです。すいません。

アントシアニンという言葉も聞いたことがあると思います。

これは花の色の成分です。

ナスの皮の色はナスニンです。酸性で安定するのでお酢につけることが多いです。

動物系の色素であるヘモグロビンとミオグロビンは、血液と筋肉の色ですね。

ヘモグロビンのほうが酸素を運ぶヘム構造といわれる構造を4分子持っていて、ミオグロビンの4倍です。だから血液のほうが体内に酸素を運ぶ能力が高いのです。

色のことを勉強すすと、確かにテーブルの上に色鮮やかな食事が並ぶ際、その色って植物だよな、と思います。飲料も植物由来のものは鮮やかな色だったりします。

あれ!?卵の黄身って黄色だよな~、あの色って動物性じゃないの??

と疑問に思いますよね。

卵黄の色は鶏の餌の色に関係しているのです。

多くはとうもろこしを中心とした飼料を食べているので黄色です。で、黄色が濃くなるのは、濃い色のなるような餌を与えているのです。栄養価とは関係ありません。

卵の色には脂溶性のビタミンの色が移りやすいので、一般的にはカロチノイドという成分の色によって変わってきます。

もちろん色が濃い卵で栄養価が高いものもありますが、色が濃い=栄養価が高いというわけではないということを知っていれば、惑わされずにすみますね。

ということで、色というのは美味しさや健康そうなイメージまでも作り出す大事な食品の要素なのでした。

ミネラル豊富って何が豊富なこと??

「ミナラル豊富!」

よく耳にし目にする言葉ですよね。

実際麦屋でも天然水を表現するときに、こう書いていました。

ちゃんと勉強するとわかってくるもんです。

ミネラルとは酸素、炭素、水素、窒素以外の必要元素で、日本では「カルシウム、リン、カリウム、セレン、ナトリウム、塩素、マグネシウム、鉄、マンガン、銅、ヨード、コバルト、亜鉛」が対象とされています。

体内では生成できないので食品など体外から摂取しなくてはいけません。

この中でもっとも多いのはカルシウムです。カルシウムは不足すると死にいたります。

しかしカルシウム不足で死にいたる以前に人間は寿命を向かえるようです。

それは、カルシウムが体のあちこちに蓄積されていて、不足しても蓄積分が出て補うようになっているからです。

代表的な場所は骨や歯です。

近年骨粗鬆症なんて言葉を聞きますが、これは人間の寿命が延びすぎたために起こった症状だと受田教授はおっしゃっていました。

人間が誕生した頃には50年も生きなかったでしょう。しかし医学や生活様式の発達で80年以上生きることが普通になりました。

昔は骨に蓄積しているカルシウムを使うまでに寿命が来ていたけど、伸びてしまったので骨の中のカルシウムを仕方なく出しているといったメカニズムのようです。

これも面白い理論だなと思いました。

カルシウムが多く入っている食品はチーズや牛乳などの乳性品です。

その中でも牛乳が良いとされるのは、カルシウムの吸収に有利な「カゼイン」と言うたんぱく質があるからです。

カルシウムの含有量そのものも多いのですが、それよりもちゃんと体内に吸収してくれるかが重要なのです。

ナトリウムは、まー塩(NaCl)ですね。

欠乏すると熱中症になります。

ナトリウムは体内に蓄積できていないので、積極的に摂取する必要があります。

よくスポーツイベントなどで塩そのものや塩辛いものをおいておくのはこのためです。

アスリートは特に夏場は積極的に摂取しましょう!皆さんほど動いていたら高血圧の心配はなく、逆に熱中症になる心配のほうが多いと思います。

あと筋肉がつったりもします。

一般的には減塩がもてはやされていますが、あれは汗をかきにくい高齢者やインドア派、日ごろ運動しなくて仕事もディスクワークだといった方むけでしょう。

健康な体は、摂取したものをどんどんエネルギーや栄養として使いまた新鮮なものを摂取するという、積極的に体内を循環させることだと思います。

鉄分不足は貧血だと良く聞きますね。

お肉などに多く含まれていますので、ランなど路面からの刺激でヘモグロビンが破壊された後焼肉!というのはある意味理にかなっているのかなと思います。

鉄分は吸収されにくいミネラルですので、気にして摂取することをお勧めします。

四万十川の青のりなど海藻類にも鉄分が多く含まれていますので是非!

あと、お茶との相性が良くないようですので、鉄分をとろうとするときには水でとってください。

その他マンガン、銅、ヨード、コバルト、亜鉛は人体にも非常に微量しか検出されません。しかしそれがないといけないんだそうです。

酵素を作り出すのに必要なミネラルなんです。

 

あと、補足情報です。

以前うどん作りに高知でとれる天日塩を使ったり、製造依頼業者指定の海水塩を使ったりしてうどんを作ったこともあります。

しかしいつも使っている塩で作るより明らかにコシがなかったり、うどんとして美味しくなかったりしました。

「いいもの使ってるんやけどな~」

といろいろと模索していくと、天日塩に含まれるミネラルがうどんを作るうえで邪魔をしているという結論に至りました。特にカルシウムです。

カルシウムがうどんを作るうえで大事なグルテンの生成に影響を与え、うまく練り上げることが出来なかったのです。

それからは、自然塩でなるべく「NaCl」に近い成分のものを選んで使うようになりました。

必ずしも「ミネラル豊富」がいいとは限らないという一例ですね。

ペットが飲む水もミネラルウォーターより水道水が良いといいますもんね。

ミネラルウォーターに入っている成分マグネシウムやカルシウムがペット(特に猫)の尿道を詰まりやすくするんだそうです。

ほんと何事も適度に、そして適切にですね。

唐辛子辛さは体を温めるわけではない!?

この情報は本編の授業ではなく、昨日の土佐フードビジネスクリエイター(FBC)の総会&懇親会で、受田教授から立ち話の最中に教えていただいたことです。

辛いもの、特に唐辛子辛さやカレーの辛さを食べると、汗をかきますよね。

一般的にこれは体温があがって汗をかき、脂肪燃焼の効果があると思われています。僕もそうです。

しかし、

化学的なけんちからすれば、この唐辛子辛さ(カプサイシン)を摂取して発汗するのは、実際に体温が上がるわけではなく、受容体と結合して人間が体温が上がったと一瞬感じるからだそうです。

昨日のお話しでは、唐辛子の入ったけっこう辛いと感じる食品をとると、体は約30度下がったと認識する。すると外気が20度だとしても50度だと錯覚をし汗をかく。

しかし人間は汗をかくから体温が上がったと思い冷やそうとする。実際は体温が上がってないのに体を冷やそうとするから実際の体温もさがり、免疫力が低下する。

よって危ない!

ということでした。

ん~、なるほど!

世界で一番辛いとされる食品は、食べると死亡することから生物兵器などにも使われるようです。口に入れるだけではなく、粘膜がやられるそうです。

ちなみに、味の5原則には

甘味

塩味

酸味

苦味

旨味

があります。

辛味は入っていないのか!?という質問が当然出ますが、入っていないのだそうです。

辛味というのは味ではなく「刺激」ということになっているそうです。

先ほどの生物兵器の話を聞くと納得しますね。

ということは、唐辛子辛さを食べてダイエット!というのは危険なのではないか!?ということになります。

普通に食べているにはよいでしょうけど、ダイエット目的であればそれを食べた翌日運動したほうがよっぽどダイエットになるでしょう。楽して蓄えた脂肪を楽して落とそうなんて、そうは問屋がおろさないですよ!

ということで、書き留めてもいない立ち話でしたので、忘れないうちに書いておきました。

ビタミン!(その3)

さて、ビタミンの続きです。

ナイアシンというビタミンは別名ニコチン酸といいます。ニコチンと聞くとたばこですが、どうも関係ないようです。

成り立ちがニコチンから出来たようですが、その後ビタミンということになりビタミンB3ともいわれるようです。

このナイアシンはカツオに多く含まれているようです。あとはうるめいわしとか。

高知県人はけっこう摂取していることになりますね。

欠乏症になると口内炎などが起こるようです。ま、このあたりはほかのビタミンもそうでしょう。

さて最後にビタミンCです。

欠乏症になると壊血病になります。

欠陥の粘膜がやられる病気ですね。

ビタミンCは非常に水との愛称が良く、いろいろな食品の酸化防止剤としても使われています。

それは還元型ビタミンCであるアスコルビン酸だそうです。

この化学構造は(OH)を多く持っていることから「エンジオール」といわれるようです。

(OHがオールと言います)

食品では果物に多く入っていて、やはりレモン、そしてイチゴなどです。柑橘系は多いようですね。

あと動物性食品ではやっぱりレバーですね。ほんとレバーはビタミンの宝庫なんですね!

ここまでビタミンを書きましたが、そのほかのビタミンもあります。

授業では詳しく説明する時間のなかったビタミンB12とかは、不足すると慢性疲労や運動時の動機息切れにつながってくるそうです。

四万十川の青のりにも多く含まれているので、アスリートにはたくさん食べてほしいです。

昨日のFBC懇親会中の立ち話で教えていただきました。

あと、貝類にも多いようです。貝類を食べると滋養強壮なんていいますからね。

不足しがちなのは徹底したベジタリアンや高齢者などです。

ベジタリアンはビタミンB12を含む食材をとるチャンスがないんでしょうね。

何事にもバランスが大事ということです。

と、言うことでビタミンはここでまで。

次はミネラルです。

よく食品で「ミネラル豊富」なんていいますが、ミネラルの中の何が豊富なのかをもっと振り下げて説明できるといいですね。そういった意味でもミネラルっていっぱいあるんだ!ということがわたっかこの授業は非常に役に立ちました。

乞うご期待!

ビタミン!(その2)

さて、ビタミンの続きです。

ビタミンEは欠乏症になると不妊になりやすくなるそうです。

動物性食品では、あじ、はまち、バター、全卵などに

植物性食品では、サンフラワー油、サラダ油、油よりは少ないですがピーマンとかにも入っています。

ビタミンKは欠乏症になると血が固まらなくなります。

まず、ビタミンKなんてあったんだ!と言うくらいビタミンについての知識がなかった私です。

このビタミンKはすこーし黄色がかった色をしているようです。

酸素と炭素の二重結合が5、6個あります。

ビタミンKには1と2があり、ビタミンK1「あさくさのり」と言う海苔にものすごく入っています。ほうれん草の50倍くらいです。乾燥しているものとはいえすごいですよね。

ビタミンK2は納豆です。これもバターの50倍くらいあります。

ビタミンB1は欠乏症になると脚気になります。肉体疲労も起こってきます。

これは、ビタミンB1がグルコース(糖)の代謝を促進するからで、アスリートにとって積極的に摂りたい栄養素の一つですね。水溶性ですので過剰摂取の心配もありません。心配なのは摂りすぎによるお財布の中身です。

動物性食品では豚肉に多く含まれています。

植物性食品では、「小麦胚芽」「らっかせい」「大豆」などです。

にんにくなどのネギ属と豚肉を合わせた料理はお互いの栄養素「アイリン」と「チアミン」の相乗効果をもたらす相性抜群の組み合わせです。

ビタミンB2は欠乏症になると皮膚や粘膜に炎症がおこりやすくなります。症状は 口角炎、口内炎や肌荒れ、髪のトラブル。そして目が充血してゴロゴロする、などです。

子供では、不足すると成長障害が起こります。

またビタミンB2は脂質の代謝を促進するビタミンです。有害な過酸化脂質を分解する役割もあります。脂質の代謝に関係するので、脂質の摂取が多いほどビタミンB2はたくさん必要になります。アスリートにとっては必ず摂りたい栄養素ですね。

動物性食品では、レバー類やハツ(鶏や豚)に多く含まれています。焼肉や焼き鳥で多く取れますね!

植物性食品では、青のりや椎茸、ひじきなどです。

実は麦屋は創業以来ずーっと四万十川で取れる青のりを練り込んだうどんを作っています。

四万十川の特産品のひとつである青のりを組み合わせたら美味しいだろうという発想から出来たうどんですが、最近栄養素を調べていくと、青のりの成分とうどんの成分がスポーツをされる方にとって非常に有効な栄養ではなかと着目しています。

このビタミンB2もそうですよね。このほかにも後で書きます「鉄分」も豊富にあります。

ただ、その四万十川の青のりはここ数年劇的に収穫高が減ってしまっています。その貴重な天然青のりを100%練り込んだ青のりうどんをお届けすることが麦屋の使命の一つだと考えていますので、今後も作り続けていきたいと思います。

さて、ビタミンはもう少しです。

ビタミンの王様ビタミンCはトリで紹介いたしますのでお楽しみに!