放射線と放射能の話

我々一般人は混同して使いがちですが、違うようです。

・放射線・・・放射性物質から出るもの(アルファー線、ベータ線、ガンマー線など)を放射線という

・放射能・・・放射性物質が放射線を出す能力を放射能という

ということです。

東日本大震災で福島第一原発が被害にあってから、よく聞く単位に「ベクレル」とか「シーベルト」とかがあると思います。

これは

・ベクレル・・・放射能の強さを表す単位

1ベクレルは1秒間に1回放射線を出す能力

・シーベルト・・・放射能を浴びた時の人体への影響度を表す単位

1mSvは1000分の1Sv

1μSvは100万分の1Sv

です。

1Svは単位として大きすぎるのでニュースなのではこちらの単位をよく使うようです。

僕なりの解釈は「ベクレル」が地震でいうマグニチュードで「シーベルト」が震度かなと解釈しています。

放射線は主に4つの線があり、透過能力に差があります。

アルファー線・・・紙1枚、又は11cmの空気層で遮断できる。

ベータ線・・・厚さ6mmのアルミ板で遮断できる。

ガンマ線・・・厚さ7cmのアルミ板、厚さ10cmの鉛板、厚さ50cmのコンクリートで遮断できる。

中性子線・・・水やコンクリートの厚い壁に含まれる水素原子によって初めて遮断できる

です。

放射線は日常地球上にもあります。しかしそれは人体に全く影響のないレベルなのですが、実は地球上でも地域差があるようです。

日本は世界の平均値よりは低いようです。世界で高い値を示しているのはイランのラムサールという地域でカスピ海のほとりにある都市です。この地域は日本の平均自然放射線の24倍の自然放射線がある地域です。

https://goo.gl/maps/anQnmiFJs7r

でもそこに住んでいる人たちを調べても、さして健康被害は出ていないようです。

どちらかというとガンの発生も低いようです。

これは、遺伝的に放射線に強い遺伝子を持っているのでしょうか?

ガンは被爆だけで起こるものではないので、それだけではなんとも言えないですね。しかもこれは外部被曝の値です。

内部被曝に目を移すと、日本の基準は世界に比べて別にゆるいわけではないようです。数値にばらつきはあるとはいえ、食品からの線量は国際基準の年間1mSvということです。そして乳幼児職人に関しては半分の年間50mSvです。

いずれにしろこの辺りは専門家でも意見の分かれることなので、素人がやすやすと意見を言えることではありません。

レントゲンを撮っても、飛行に乗っても、山に行っても被爆はします。

通常の生活であれば問題ないようですね。

ではなぜ人類は危険だと言われる放射線を出す原子力の力を使うのでしょうか?

それは、小さな質量で非常に大きなエネルギーを発生させるからです。

通常の化学反応と、原子核反応では2.3×107倍のエイネルギーの違いがあるそうです。

ウラン1g=石油2500L=石炭3トンです。

そりゃ効率を取れば原子力でしょうね。

しかし、人類はこれに手を出したことで後戻りができなくなっているのも確かです。

平和利用で使うにしても放射性廃棄物問題はどうしてもついて回るのです。

先日この放射線について講義をいただいた高知大学の沢村先生も、完全な運用はあるのだろうか?と警告されています。

高知県に住み3.11も高知県でテレビで見ていた僕としては、日頃放射線や放射能汚染について考える機会はあまりなかったので、こういった機会を食品の観点から学ぶことができたのは、良い機会でした。

ヤフーニュースに出ていた脂肪酸の話

昨日のヤフーニュースで、飽和脂肪酸の話題が出ていましたね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160706-00000021-jij_afp-int

以前からそういったことは言われていたと思いますし、大学の授業でも習いました。

この件について書いたブログです。

https://mugiyateishu33.theblog.me/posts/923753

簡単に言いますと「動物性脂肪より植物性脂肪、魚油系を摂りましょう!」ということです。

ただ、これもバランスですので、動物性脂肪を全く取らなくなるとエスキモーのように出血が止まりにくくなるようです。

少し極端なダイエット法として「炭水化物(糖質)はダメで、油はOK!肉もいくら食べても大丈夫!!」という事を言う方がいます。

その人は痩せるかもしれませんが、その体内に流れる血はドロドロということになります。

何事もバランスです。

現代の食生活でトランス脂肪酸や飽和脂肪酸を取らないというのは現実的でないと思います。

ただなるべく取らないようにする事は出来ると思いますので、気にする方は

「飽和脂肪酸」

「不飽和脂肪酸」

「多価不飽和脂肪酸」

「トランス脂肪酸」

「オメガ3」

「オメガ6」

といった脂肪酸の事を少し勉強するだけでも、それぞれの脂肪酸の働きや弊害、どの食品に多く入っているとか少ないとかがわかってくるので、生活に活かせると思います。

「トクホ」など機能性のある食品の話

「特保」「トクホ」などの飲料を飲んだことのある方は多いと思います。

僕も気にはしていなくても、買ったら特保だったということもよくあります。

この制度は1991年に始まったようですが、2000年台になってから商品がどんどん出てきましたね。

では、特保ってなに??

といいますと、

・お腹の調子を整える食品

・コレステロールが高めの方食品

・血圧が高めの方食品

・ミネラルの吸収を助ける食品

・骨の健康が気になる方食品

・虫歯の原因になりにくい食品

・歯を丈夫で健康にする食品

・血糖値が気になり始めた方の食品

・血中中性脂肪、体脂肪が気になる方の食品

と以上のような食品です。

ヘルスクレーム(健康強調表示)を表示することが許可された食品です。

上記の内容を見ると、結構曖昧な表現が多いですよね。

「医薬品」や「医薬部外品」ではなく、あくまで「食品」なので、「治る」という表現ではなく、

「何々が気になる方、これをとると改善されると思いますよ」といったニュアンスです。

この「特保」に認定されるには、非常に高いハードルがあります。

私のような零細企業では、ほぼ無理だろうという研究と時間とお金をかけます。

ま、体に入れるものなので、しっかりとした研究は必要です。

なので、多くの「特保」食品は大手企業のものだと思います。

しかし、2015年に「機能性表示食品」という制度ができました。

これと「特保」との違いは、

特保が自社、もしくは自社の研究費で試験管実験、動物実験、ヒト試験を行い「許可制」であるのに対し、「機能性表示食品」は申請しようとする食品に入っている成分が機能性があるとされる量入っていればOK。その成分が他者が研究したものでもよいという「届出制」となったことです。

これにより、非常にハードルが低くなりました。

第一号はサントリーの「セサミンEX」だそうです。

一般の食品と上記のような「保健機能食品」の違いは、

機能性の表示が出来るか出来ないかです。

一般の食品は出来ません。現在のうどんは一般食品ですので機能性の表示ができませんが、「機能性表示食品」を取れば、機能性を表示できるのです。ただし、ちゃんとした機能性があるものに限りますけど。

授業では、「血圧が高めの方の食品」についてのメカニズムを教えていただきました。

最初から書くと長いしわかりにくいので要点だけ。

血圧を上げる作用のあるアンジオテンシン1からアンジオテンシン2に変換をする酵素(ACE)の活性を阻害することが出来る食品ということのようです。

りんごが黒くなるのを抑えるのに塩を使うのはなぜ??

りんごは切ってそのままにしておくと、黒くなってきますよね。

酸化です。これを防止するには塩水につけるというのは多くの方が知っていることです。

では、なぜ塩水につけると酸化しない、もしくは遅らすことができるのか!?

りんごの中には様々な酵素があります。

代表的なものは「ポリフェノールオキシダーゼ」です。これは塩分に弱く、食塩の主成分であるNaClにより、酵素反応を遅らすことができます。

ちなみに、りんごのなかでもより黒くなるのはどこでしょうか?

答えは、種の周りです。

植物にとって種は一番大事なもので、それを守るために酸素に触れると活性酸素を多く吹き付けて、種を守ろうとするのです。

活性酸素とは、健康に気をつけている方からはあまり良いイメージがないとおもいます。

読んで字のごとく「アクティブな酸素」と言うことで、体に必要なものなのです。

しかし、それが出すぎると細胞を傷つけガンになったり、老化を促進したりします。人間誰しも老化します。その活性酸素をやっつける(減少さす)酵素がスーパーオキシドジスムターゼ通称SODと呼ばれる酵素です。このSODを働きをするものは食品でもけっこうあります。

って、実はこの活性酸素については昨日習ったほやほやの情報です。

トクホや機能性食品についても興味深いことをお聞きしましたので詳しくは後日書きます。

りんごの話に戻って、鉄の刃物で切るとその鉄分と酸素が反応して黒くなります。

色素にはいろいろあり、メラニン色素というものもあります。

髪の毛を黒くしている色素です。

これが少なくなると白髪になります。

あと、肌の色もこのメラニン色素が関係しています。

実はこのメラニン色素を抑える効果が「コウジ酸」にあり、お酒造りの「杜氏」の方に色白の方が多いのはこのためだそうです。

そこで「コウジ酸」を使った化粧品がいろいろと出回っいるそうです。

野外で長時間動き回る持久系アスリートは、日焼け対策も必要ですね。

コウジ酸は日焼けを直接抑えることはできないですけど、そのダメージで起こすメラニン色素の生成を抑える効果はあるようです。

最後に先生がおっしゃられていた言葉で気になったものを書き留めます。

人為的に腐らしていくことを「発酵」と言い

偶然発酵していくことを「腐敗」と言う。

香りは人を引きるける!?

食品のことだけとっても、香りというのは美味しく食べる上で非常に重要な要素です。

人間を含め大体の動物は口の上に花があり、味と同時に香りを感知します。

花を摘んで食べると美味しいものでも、普通に食べてどぶの臭いがしたのでは美味しくないと感じるはずです。

味や色には基本があり、それを組み合わせて様々な味や色へと変化するのですが、臭いに関しては基本臭はないそうです。現在388種の臭い成分が発見されています。

臭いというのは、それを感知する受容体の疲労が早く、すぐに慣れるそうです。

ですので、自分の臭いというのは慣れてあまり臭わなくなるのです。

その、慣れを引き起こすことで、他の臭いを鋭敏に察知し、危険にも対処できるようになっているのです。

ガスの臭いをすぐに分ける、なんてその一つですよね。

ご存知の方も多いと思いますが、家庭で使うプロパンガスや都市ガスには、もともと臭いはありません。ただこのままにしておくとガス漏れに気づかないので危険です。

だから、あの「ガス臭」をわざとつけているのです。

しかもそのガス臭が「フローヤルの香り」だとか「シトラスの香り」なんて、芳香剤のような人に好まれる臭いだと、ガス漏れしても人がいい気分になるので、漏れた時不快な臭いと感じるような臭いをつけています。

メチルメルカブタンという臭い物質はガスの臭いの一部です。

フェロモンなんてのも臭いです。

それを嗅ぎ分けることができるかどうかでしょけど。

臭いも「閾値」を使います。

先ほどの「マチルメルカブタン」は閾値が0.1です。

柑橘の香り成分「ミルセン」は閾値15

グレープフルーツの香り成分「ヌートカトン」は閾値170

嫌な臭いとしては、1日履いた靴下の臭い「酪酸」の閾値は240。

ということは、結構臭う靴下は酪酸だらけということなんですね!

アルコールの主成分「エタノール」は閾値100,000ということで、ほとんど臭いがしません。

だから様々なお酒の成分の臭いを引き立たせることができるんですね。

「エタノール」の閾値が1くらいだったら、飲む時に鼻をつまんで飲まないといけなかったところです。

良い香りとされる臭いに「果物」の臭いがあります。

これには大きく「エステル」と「ラクトン」の2種類に分けられます。

これは構造式の違いで、「エステル」とは構造式の中にエステル構造という化学式が入っています。

「ラクトン」にはラクトン構造が入っています。

どんな構造かはこちらを参考に

エステル

ラクトン

で、エステル構造を持つ香気成分の主な果物は

バナナ、なし、ぶどう、オレンジ、ビルベリー、クランベリー、パイナップルなどです。

ラクトン構造を持つ香気成分の主な果物は

もも、ココナッツなどです。

エステルが圧倒的に多いですね。

爽やかな香りでしょうか。

ラクトンは甘い香りですね。

このように様々な香気成分を嗅ぎ分けながら、人は生活しています。

アロマテラピーなんてのもありますね。

臭いはリラックスをしたり、気分転換をしたりといったいい気分になる要素の一つです。

見えないものですが、生活において重要な「アイテム」ですし、食事を美味しく取るためにも重要な要素ですね!