第22回四万十川ウルトラマラソン

(※昨年書いたけど忘れてアップしていなかった記事です。ウルトラマラソンにチャレンジする方の少しでも役に立てば幸いです。)

2016年10月16日に「第22回 四万十川ウルトラマラソン 100km」に出場していました。
結果から言いますと、最低目標はなんとかクリアかなと。
10時間45分30秒でした。

昨年ガーミンチャレンジのリポーターをさせていただき、その時の皆さんの走りを見ていて「やっぱ走らんとね」と思い1回でやめるつもりだったウルトラマラソンに再チャレンジしました。

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写真は昨年のチャレンジャーの方達の走りです。

2年前出場した時はマラソン経験のない状態での参加でしたので、なんとか完走が目標でした。

今年は昨年チャレンジャーの方が11時間台で走られていたので、それはクリアしたいと10時間台を目標としていました。

ランに関してはほぼ一人での練習だったため、ウルトラの練習なのかトライアスロンの10kmランの練習なのか曖昧な感じで走っていたところ、7月から地元の「走援隊」さんの練習に混ぜていただき、週一で朝30キロの練習をしました。それと並行してチームナッソの方のスピード練習にも混ぜていただきました。

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これにより、自分の走力がだいぶ上がったと思います。

また仲間と50km練習も行いました。

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第1回目はうなぎ祭りラン

img_4185img_4186img_4188第2回目は群馬から昨年のガーミンチャレンジャー岩上さんをお迎えしての、

田舎レストラン&黒尊川行水ラン

を敢行しました。

これにより、自分の走力の確認にもなりました。

そして2回目の50km練習で岩上さんからの刺激もあり、目標を「サブ11」から「サブ10」に上方修正をしました。

色々と仲間と走るにつれ、自分のランナーとしてのタイプがわかってきました。

あくまでもラン歴2年半、初級から中級に上がったくらいのレベルとしての話ですけど、僕はスピードタイプだと思います。前半抑えて後半あげる方が向いているだろうし、最後のラストスパートであれば、結構走れます。

ただそれは足が残っていればの話です。

今年の龍馬マラソンでは、サブ3.5を目指し前半からイーブンで走ろうとして、25キロ過ぎからガタッときてしまい、ようやく4時間切りです。

僕は例えるのが好きなので、競馬で例えると、マイラーをいかに長い距離持たせるか!?と言うような走りが求められます。

20キロであれば10キロをアップで使い、後半20キロで上げるとか、フルマラソンで言えば15キロをアップに使うとかです。

しかし今回のような100kmでは、後半の失速は想定に入れないといけないので、前半貯金をしようと考えました。

ま、この判断が良かったものと悪かったものがありました。

さて本番。

天気予報では朝から雨だと言う事でしたが、ちょうど走りやすい天候でスタートすることができました。

目標をサブ10としたことで、キロ6分は上回れない。前半はキロ5:30〜5:40で推移します。

四万十川ウルトラマラソンの名物でもある前半21kmまでの上り坂も、前回はキロ9分程度でゆっくり歩くように走ったのですが、今年は坂の苦手意識もだいぶ克服して、上り坂の約6キロはキロ6分〜7分で登りました。そこまできつくは感じませんでした。ただ、一緒に連取をしていた仲間は作戦でここを歩いて登っていました。

で、問題の下りです。ここで結果僕の判断ミスが出てしまいました。

惰性に任せて下ってしまったのです。遅く下ると前ももに負担がくると思い、なるべくブレーキをかけない状態で下ったのです。

下りは4分台前半でした。

が、下りをほぼ終え、帰路5:30〜5:40に戻した走りの時に、余裕がなくなっていました。が、ここではまだいけると思っています。

36キロ地点の第一回収ポイントの給水で少し止まってパンやら梅やらを食べていると仲間が追いついてきました。

ここから一緒に行こうと言うことになり、走り出しましたがやはり足が重い。本当は先頭交代しながら走った方が良かったのですけど、前に出るとペースが落ちそうで、仲間に引っ張ってもらう形で走りました。そしてフルマラソンの距離をちょうど4時間で通過します。当初自分の目標ではここは3:45〜3:50で通過できればと考えていたので10分程度押しています。でもまだサブ10には大丈夫な時間です。

その後は必死に仲間に食らいつきながら50キロあたりまできました。途中岩上さんに軽やかに抜かれましたが、自分のペースで行こうとキロ5:45〜5:50くらいで推移します。

またここで僕の誤算が生じます。当初の予報では雨が降る予定でしたがいっこうに振らず、少し蒸してもきました。普通の状態であれば全然良かったのですが、今回寒さ対策も兼ねてコンプレッションを着用していたこともあり、思いの外体が暑くなってきます。そして最大のミスは、そのコンプレッションがキツかったと言うことです。

前回のウルトラマラソン100km、そして初めてフルマラソンを走った時もコンプレッションを着ていました。しかし昨年からトライアスロンを始めてスイム練習をしていることで、胸筋がいくらかついたのかキツくなってしまっていました。

10キロ、15キロなら問題なかったかもしれませんが、明らかに苦しく呼吸が浅くなっていました。そのおかげで心拍が上がっていたのもあるのでしょう、ハンガーノック気味のなります。コンプレッションの胸の部分を引っ張りながら呼吸を楽にしようとしながら走ります。しかし一旦上がった心拍はなかなか戻ってくれません。

このままではやばいと、51キロほどのエイドでしっかり補給をしようと考えました。もちろん仲間は素早く補給をしてすぐに出てしまいます。僕はそこでパンやら梅やら飲み物やらをしっかり取ったので仲間から1分程度遅れてしまいました。ただ、視界にはいたので、少し離れていてもなんとか食らいついて走りました。

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仲間から遅れをとったところが撮影ポイントでした。気付かず必死の走りです。

そして最大の問題であるきついコンプレッションを峰半家の峠で歩きながら脱ぎました。上には半袖Tシャツも来ていたので問題ありません。だいぶ呼吸も深く吸えるようになり、涼しくもなり最初から着なきゃ良かったと後悔しながら62キロ地点のカヌー感(レストステーション)を目指します。

そこで仲間から2分程度遅れて入りました。予定では11時にはカヌー感に到着したかったところ、11時30分を少し回ったところでした。しかしまだサブ10は行ける時間です。おにぎりやら味噌汁やら食べられるものを詰め込み出発します。仲間から30〜40秒遅れといったところでしょうか?

しかしここでまたも問題が!早飯をしたことで横っ腹が痛くなります。ここは無理をせず、少し治るまで歩きました。

で、1キロほど歩いて再スタートするとキロ6分以上早く走ると左の太ももが攣ってきたのです。だましだまし走りますがスピードを上げると攣ります。

こりゃいかん。でも、今からキロ6分でも大丈夫や!と自分に言い聞かせだいたいキロ6分程度で岩間の沈下橋を目指します。ここのあたりでは1キロごとタイムを計算して、まだ大丈夫、まだ大丈夫と言い聞かせながらの走りでした。

70キロ手前が岩間の沈下橋手前で離れていた仲間の一人と20メートルほどの距離まできました。しかしそれを追いつけないのがもどかしい。沈下橋を渡る時に少し下ってそれから登ります。その上り坂も走って登ることが困難になります。

そして70km地点。7時間少し手前、いよいよ貯金がなくなってきました。でもまだ行ける。今回なぜだかサブ10より遅い目標でのプランBとかプランCとかを考えていなかったのです。

加用大橋を渡り四万十楽舎まえの給水でやっと仲間と合流しました。

が、せっかく追いついて一緒に行こうと思っていたのにまたズルズルと後退してしまいました。このころには足の攣りも酷くなり、体を動かそうにも前にも進みません。

ここで始めて「サブ10ダメじゃないか」と思うようになります。そう思ってしまったらダメですね。ここから77キロ地点のチームナッソの仲間が開設した私設エイドまでは、一番メンタルがダメな時でした。ここから歩いても制限時間には間に合うだろうとか考えることもありました。

サブ10以外の目標を事前に用意していなかったので、新たにどのタイムを目標にすりか走りながら考えます。今の走りからすると10:30が妥当なところだろうと設定をし直します。

 

77キロ地点の私設エイド、これは本当に生き返りました。レッドブル、コーラ、カルピス、砂糖漬けレモンなど、さすがアスリートが用意した補給食だというものをいろいろいただき、ロキソニンも放り込み優しい言葉もかけてもらい再出発。

スピードは上がっていませんが、完走すれば良いや、なんて考えはよそう!
できる限りベストを尽くす走りをしようと考えを入れ替え、走り続けます。

今回のウルトラは腕振りを意識して走ろうと思っていたので、スピードが上がらない中でも腕振りと姿勢は気にして走りました。

2年前は遅い時にはキロ9分とかで走っていたのが、今回スピードが上がらない中でもキロ7分程度で走れています。腕振りのおかげかな?

80キロを過ぎ、川登を過ぎ、四万十川沿いの旧道に入るとあともう少し。ここからは後ろから結構いい足音だな、と思うと60kmのランナーでした。

100kmのランナーとはだいたい同じようなペースで走っています。みんな苦しい中頑張っているのです。残り90キロ地点で10:30切りは現実的ではないと悟ります。そして、残念ではありますが当初の目標10時間台を目標として再再設定し直します。

残り5キロになったらスピードアップしようと思い走りを大きくしますが続きません。残り3キロになったらスピードアップしようと試みますが1.5キロほどしか続きません。そうこうしてるとゴール手前の急坂です。登りきって900m。

2年前だとこの下り坂は結構なスピードで下れて、ゴールまで駆け抜けられたのですが、今年はかなり足にきているらしく、全くスピードが出ません。情けないことにここで2人に抜かれました。

10時間台でのゴールは確実なので、あとはゴールテープを一人で切れるかということです。後ろにランナーがいることはわかっていましたが、なるべく距離を開けてゴールしたい。その一心でゴールテープを切りました。

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タイムは10時間45分29秒。

最大目標のサブ10はならず、当初の目標である10時間台でした。

全く満足感はありません。よってフィニッシャーTシャツは注文しませんでした。

今回色々と準備や補給、走り方での失敗はありましたが、それをちゃんとクリアしたとしてもサブ10は難しかったでしょう。やはり練習不足は否めなかったと思います。

もっと長距離を休まず走る練習をしないといけませんね。5キロ〜10キロ程度で休んでは走り直す練習だと、僕のようなスピード系のランナーは走れてる感じがして満足してしまうと思いました。20キロ〜30キロの無休憩練習をしないといけないと思いました。

うなぎパワー!

土用の丑の日が1週間以上だったというのに、今頃うなぎ記事か!とお思いでしょうが、お許しを。。。

さて、最近トライアスリートというよりはランナー寄りになってきた毛利です。

それはなぜかと申しますと、「四万十川ウルトラマラソン(100km)」に出場する為です。

2年前に初めてのマラソンで四万十ウルトラの100kmを走って、その時の目標は完走でした。一応完走はしたものの、その練習過程とは100kmを目標とされている方たちに申し訳ないほどの内容で、今思うと自分でもあの練習でよく完走したよな、と思う内容でした。

今年は2年前のタイム(13時間40分くらい)を約3時間縮める10時間台を目標としておりますので、2年前のぬるい練習ではいけないのです。

幸い四万十で一緒に練習する仲間もできて、楽しく長距離練習をしております。

そして、先日の日曜日、今シーズンの練習では最長となる50km練を敢行しました!

参加者は私を入れて3名。いや〜一人じゃなくて良かったですよ(^^)

みなさん100kmのタイムでは、全然上を行く方たちです。胸を借りての練習です。

それと、8月7日にした理由の一つには、四万十川で一番有名な沈下橋でもある「岩間の沈下橋」のほとりで「うなぎ祭り」が開催されている!というのも大きな理由です。

50km走った後にうなぎを食べる!!というモティベーションで乗り切ろうとしていたわけです。

参加者の都合もあり、11時までにはうなぎににありつきたいと、朝5時半スタートです。

今回の練習コースは、ウルトラマラソン本番にもある峠克服も兼ねています。

沈下橋を渡り

最大斜度18%の激坂を登り

うなぎ祭りにたどり着きました。

ここで、一応大学で食品のことを科学的に学んでいる身として、

うなぎの栄養素について書きたいと思います。

うなぎの栄養素でまずあげられるのはビタミンAです。

ビタミンAは欠乏症になると「夜盲症」になります。

そして、風邪やウイルスに強い体を作ってくれるという役割もあります。

その他にはビタミンB1です。

ビタミンB1は欠乏症になると脚気になります。肉体疲労も起こってきます。

これは、ビタミンB1がグルコース(糖)の代謝を促進するからで、アスリートにとって積極的に摂りたい栄養素の一つですね。水溶性ですので過剰摂取の心配もありません。心配なのは摂りすぎによるお財布の中身です。

動物性食品では豚肉に多く含まれています。

そして脂肪酸としてDHAやEPAといったオメガ3系の多価不飽和脂肪酸もイワシほどではないですけど含まれています。

このオメガ3系の脂肪酸は悪玉コレステロールの数値を抑制したり、血液の流れを良くしたりする効果があります。

これも嬉しい栄養素ですね。

そして、美容的効果としてうなぎの皮周辺にはコラーゲンも豊富です。

食べた時の触感として「コラーゲン多そう!」という感じですよね。ぷりぷりっとして。

コラーゲンは肌のハリや潤いの他に、血管や粘膜にも作用して老化を抑制してくれます。

ってことで、

50km走った後のご褒美とともにいただきます!

(ちなみに写真の女性は、今回50kmをご一緒したスーパーママさんです。小学校〜大学まで陸上部だった筋金入りの長距離ランナー!後輩にはリオオリンピック代表選手もいるようです。)

四万十ウルトラマラソンは10月16日です。

四万十川を健全な大人たちが駆け抜けます。

応援をよろしくお願いいたします!

除菌、抗菌、殺菌 どれがいいの??

7月25日、26日と食品製造者としてはこれから必須となる

「HACCP(ハサップ、ハセップ)」の講習会にどっぷり浸かってきました。

座学が丸2日も続くと、慣れていないものとしてはなかなかこたえます。。。

この勉強は食品製造業者向けですので、私ども食品メーカーが消費者の方に安全、安心な食品を提供するためにするべき内容がほとんどで、一般の方には直接は関係の無い事柄ばかりでした。(そりゃそうですよね)

でもその中でこれは食品業者だけでなく一般消費者の方も知っておいたらいいかな、という事を習いましたので、紹介したいと思います。

よくCMで「抗菌コート」とか「殺菌成分」とか「除菌スプレー」とか聞きますよね。

この「抗菌」「殺菌」「除菌」てどう違うのか知っている方って少ないのでは無いでしょうか?

こういった商品を作っているメーカーは嘘は言っていません。しかしこの用語がどのような意味かを知らないと「イメージ」だけでよさそうに思ってしまうのです。

では、世界基準のHACCP講習会で習った用語説明です。

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1、滅菌・・・全ての菌を死滅させること。主に器具を対象とした用語。

2、殺菌・・・「菌を殺す」という意味。どの程度殺したかは問わない。その為「99%殺菌」などと表現される。

3、消毒・・・付着、又は含まれている病原性微生物を殺し、数を減らすなどして毒性を無力化させること。

4、除菌・・・物体や空間に含まれる微生物の数を減らし、清浄度を高めること。

5、静菌・・・微生物の活動を停止又は低下させ、増殖を抑制すること。

6、抗菌・・・主に物の表面についた菌の増殖を長時間防止すること。

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以上です。

上記の中では「滅菌」と「消毒」には基準があります。

「殺菌」「除菌」「静菌」「抗菌」には基準がありません。

お近くにある、こう言った用語を使った製品を見てみてください。

ほとんどが「殺菌」「除菌」「抗菌」では無いかと思います。

講義いただいた先生によると、「99%除菌」と書いているスプレーを吹きかけても、菌というのは100万単位で存在しますので、仮に100万の菌のうち99万減らしたとしても、大腸菌であれば条件の良い環境では2時間程度で100万を超えてしまいます。

この理論からいくと除菌スプレーは2時間以内にかけ続けないといけないということになります。

が、口に入れるものならいざしらず、通常わたしたちが体で触れるものには様々な雑菌がいるので、そこまで神経質にしているときりが無いですし、健康体の大人であればその雑菌にも耐えうる抵抗力を持ち合わせています。

そう思うと、いつもいつも除菌されている便座のほうが、電車のつり革や不特定多数の方が使うドアノブより綺麗だということですね。

食品でも、思いっきり殺菌された食品もありますが、これは「保存料」とか「防腐剤」と言った類のもので殺菌されているのであって、その食品を作る光景は見たく無いと思います。

幸い麦屋のうどんは保存料、防腐剤は一切使っておりませんし、急速冷凍する前に湯がき工程があり加熱殺菌をしています。そして一気に−48度まで冷やし凍結します。

菌の繁殖が盛んになると言われるプラス47度〜25度を一気に駆け抜けますので、菌の増殖はほとんど無い状態でお客様にお届け出来るのです。

こう言った勉強をすると、流通商品が冷凍うどんでよかったな〜と思います。

今食品製造業界は(ある一部の間違った会社を除き)、消費者の方にいかに安全、安心で美味しいものを提供するかでものすごく努力をしています。しかしそれを価格に転嫁することなく、多くは自助努力で行っているのです。

消費者の皆さまもそうした食品製造者の思いを少しでも気にしていただければ幸いです。

そして、指定された保存方法や調理方法で召し上がってください。

間違った保存や調理で食べられますと、せっかく美味しくいただけるはず、安全にいただけるはずのものが、「美味しくない」や「食あたり」と言った悲しい結果につながるかもしれないのです。

人間の力は偉大だった!

食品のみならず、世に出る様々な商品では人の感覚に頼った「官能試験」というものを行う事があります。

これは人間の五感

・視覚

・聴覚

・臭覚

・味覚

・触覚

を使って、これらの感覚で対象となる「試料」を評価する試験の事です。

機械ではじき出した数値では測定できない「好み」などを計る場合に多く用いられます。

食品以外では、例えば車の乗り心地だったり、スピーカーの聴き心地、アロマオイルの効果などを測定する場合に行うようです。

食品に関しては、ほとんどが「食べて」「飲んで」試験をします。

多くは「美味しさ」を求めるためですが、「美味しさ」の要因として

科学的要因は

1、味覚(舌面での味わい)

2、臭覚(食品の香り)

物理的要因は

1、視覚(色、形、大きさ、つや盛り付けなど)

2、聴覚(嚙み砕く音、ジューという音など)

3、触覚(硬さ、滑らかさ、飲みやすさなど)

こういった要因を複合して「美味しさ」が定義されます。

測定で用いられるのはこの5つで、それ以外の要因はなるべく排除します。

しかし人間は上記5つの要因以外にも「生理的要因」「心理的要因」「外的要因」が組み合わさり、複雑に絡み合って「おいしい」「まずい」を判断しています。

試験のやり方において、この「生理的要因」「心理的要因」「外的要因」を最小限にすることが求められます。

例えば疲れていたりすることで人間の感度が鈍ったり、甘いものをいつも以上においしいと感じたります。

行列のできるお店だとか、入手困難だとか、誰々がおいしいと言っていたという情報を事前に受けると、おいしいと感じたりします。

又、食べる順番によっても判断が変わる場合があります。

官能試験は「識別型」と呼ばれる人間の感覚を精密な測定器とみなし、特性や差を検出する検査と、「嗜好型」と呼ばれる、人間の総合的な判断力に頼って好ましさを調べる検査があります。

二つの検査方法、どちらをするにせよ統計学を用いて行います。

これは、官能検査以外でも用いることができるなと、結構勉強になりました。

「特別」か「特別でない」かを40回、もしくは40人の試験をもとに導き出す計算方法です。

例えばある2つの同じ種類の食品があり、どちらがおいしいか40人に食べてもらい、差があるのかという試験です。

A食品のほうがおいしいと答えたのは26人

B食品のほうがおいしいと答えたのは14人

とした場合、両方の食品に差はあるのか?といいますと、

(細かい計算式は省きます)

官能試験での結果では「差は無い」ということになるのです。

では、差があるという判断は何人であれば良いかと言いますと、

「有意水準」という数値5%では27人以上、1%では29人以上、0.1%では31人以上がおいしいと答えた時に「差がある」となります。

もう一つ

味覚検査で使われる人の識別能力を測る検査です。

1%と1.06%の塩水の濃い方を答える試験を40回した場合、正解が26回であった場合、この人は識別能力が有るか無いか!?

結果は「有る」です。

ではなぜさっきは26という数字で「無し」で今回は「有る」のかと申しますと、

どちらを選んでも構わない選択肢の場合は「両側検定」という計算方法が使われ、片方だけが正解という選択肢の場合は「片側検定」と言う計算方法が使われるからです。

では、この塩水の検査で識別能力が有る無しの基準値は!?と申しますと、

「有意水準」5%で26回、1%で28回、0.1%で31回となります。

25回以下では、偶然当たったかもしれないという事になり「識別能力無し」となるのです。

こういった計算の機能はExcelにもあるようです。

Excelってすごいですよね。

昨年経営学を学んだ時にも、投資や配当などの計算もExcelでできました。

足す引く掛ける割るなどを用いるのでなく、専用の関数があるんですね。すごい!!

もしご自分で味の識別能力が有るか無いかを調べたければ、

1%と1.06%の塩水を40回飲み比べてください。

もしかしたら「味にうるさい」人でも正解が25回以下かもしれませんよ〜

って、僕も人のことは言えません。

ま、こうして人の感覚を頼って検査をし、商品として世に出たり改良を加えてより違いを出したり、より好まれるようにしているのです。

その他にも、採点法や選択法などの分析方法があり、そこでもこの関数が用いられるようです。

人間の感覚は偉大ですね!